今回、シャツを実際に見ていただけるとわかるのが、多用されたチェーンステッチです。
もともと、アメリカのビンテージワークウェアは量産を前提に設計されています。
そのため、糸替えが少なくて済む、チェーンステッチミシンを頻繁に使います。
ただ、一口にチェーンステッチと言っても、縫製する部分によってミシンは違います。
まず、登場しているのが、袖ぐりや、脇の下〜袖底を縫うアーム状の巻き縫いミシンです。
写真の手前、銀色に光る部品が二枚の生地を巻き込んでいき、針が落ちた向こう側はステッチが三本入っているのがわかります。
今回は、薄手のシャツ地なので、調整された国産の巻き縫いミシンを使っています。
ただ、薄手とは言っても、脇の下などは生地が16枚も重なるところがあり、かなりの段差になります。
そのため、ゲージという針をつける部分を通常の、三本が平行に並んだものから、「ユニオンゲージ」と呼ばれるユニオンスペシャルに使われていたのと同じ、トライアングル型のゲージに変えてあります。
|