脇は束縫いの折伏せ。昔、これがわからないで必死にアイロンしてみたり。わかったらわかってで、いよいよボタンダウン!という時に、当時のメイン工場、村上のおばちゃんが他の製品で手いっぱいで縫えない。
で、もう一件、矢神工場に行って各部分の説明。特に、「説明しないとわからない」のがこの脇だったので自分で縫って見せて。
実際縫ってもらうと、最初の一枚は中々うまくいかない。
「私だってこれだけ出来るんだから、絶対できる!」って矢神工場のおばちゃん励まして。でも、二枚目には私よりよっぽどうまく縫って。さすが、何十年も縫ってる人だなと感じました。
こんな風に一か所一か所に何年たっても忘れない思い出があります。
最初は製品をまずは自分でかたちにして、「ここはこう縫う」「ここはこのミシン」「このカーブはこういうパターンじゃないと出来ない」と納得してから製品を工場で作ってもらいたかったのです。
でも、裾の三巻が出来ない、前立てがミシンが違って縫えない、袖ぐりがミシンがわからない、剣ボロが難しい、襟がつかない、ポケットがきれいに折れない、カフスがゲタはく、もちろん台襟はきれいにつかない、羽襟はひん曲がってる。
本当に、一か所たりともまともに縫えないなと暗澹たる気持ちでした。何回も練習して、コツを工場のおばちゃん達に教えてもらったり、ミシン屋さんにミシン自体が違う事を教えてもらったり。何とか「ある程度形に成ったな」という所で、いよいよ本番を工場のおばちゃんたちに頼んでいました。懐かしい、WORKERSの始まりのお話です。
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