前立て、カンスぺ多本針ミシンでラッパ(金具)を使って。セッティングが出来れば早いけれど、そのセッティングが大事。
という事で、WORKERS専用ミシン・ラッパを工場さんに置かせてもらって縫っている部分。
なるべく細い糸で強度を出すために目数を多くしたい。そのためには、ミシンを一部改造して目数調節レバーをミシンメーカーの「ここまで」という位置より、さらに向こう側に行くよう一部、ストッパーを削っています。
目数も多ければえらい、強度がある、という物ではない。「生地と糸」の組み合わせで最適なセッティングがあります。
私は、古いボタンダウンが好きです。3-5オンス程度の生地に、細めの綿糸、チェーンステッチで前立てを縫ったあの独特な雰囲気。あれは、雰囲気を出したくてああなっているのではない。あくまで「ドレスウェアはあまり太い糸では縫わない」「当時は綿糸しかない」「その中で強度を出すには、ある程度細かく縫うしかない」と、必然から生まれた「仕様」です。
その「仕様」を後の人間が「独特の雰囲気」として感じているわけです。
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