裁断・縫製、日本・猪瀬

ドイツで完成した革を日本へ。そして裁断・縫製をしてもらったのが猪瀬さん。前から松本さんに噂は聞いていましたが、今回ついにWORKERSの製品を作ってもらいました。写真は本社で裁断をしているところ。WORKERSにも以前、クリッカーという型抜き機を使っていました。それですら何百キロもあり、一度置いたらそう簡単に動かせないものでしたが猪瀬さんのクリッカーはもっと大きい!

ここに革を置いて、革の傷を避けながら抜型を置き1パーツづつ裁断していきます。ここが布の裁断と違うところで、革製品は基本、1枚づつ裁断します。

 

この日はちょうどシュランケンカーフを使って製品の裁断をしていました。

 

多種多様な金型。片側は刃がついてるのでとっても危険。(両刃もたまにありますが、もっと危険)
私、実は会社で抜型使っててほんの少し、触って手を軽く切ったことがあります。それ以来、素人作業はやめました。
 

そして抜き上がったパーツは猪瀬さんの二階へ。ここで革の切り口部分、コバの処理をします。写真は「さぁ、これから行くぞ」と構えている写真。真ん中の丸い部分が回転しています。そこに・・・

 

つ〜っと革の端を当てていき、コバをきれいに、均一に仕上げています。コバの仕上げも様々、革の種類、厚み、製品のどこにそのコバが出るか、そしてもちろんどこまでコストをかけられるかにより違います。ちなみに、WORKERSのノブレッサカーフの場合、裁断が終わったパーツ、まずは軽くコバを磨いてから一度塗り、乾燥。もう一回磨いて丸みを出して塗る、乾燥、最後にもう一回丸みを出すという工程です。
このコバの処理を、各縫い工場さんに出してしまうこともできるのですが、それをやるとどうしても、各工場さんごとの雰囲気が出てしまう。ある意味正解の無い作業なので、やる人の感覚がもろに出る部分です。そこで、今回はコバ処理は二階で一気に仕上げてから組み上げに出しています。これで、コバに関して、品質が均一になるようにしているわけです。

 

コバが仕上がった革を乾かすための道具たち。
私も自分でコバ処理はやってみたことがあるのですが、まず塗るのが難しい!コバからはみ出さないようにコバ仕上げ材を塗るのが至難の技。そして、さらに縫ったものをどう乾かすのか。これもコツがあるそうで、コバ材の粘り具合、革の厚みによりあるものは立てて乾かす、あるものは倒して乾かす。それを何十、何百とやるにはこういう乾かす道具や場所が要るのです。

こちらは熱をかけてコバを固めるときの道具。こんな風に、猪瀬さんの二階はコバ処理、また画像には出てきませんでしたがサンプル縫いをするミシン、革の部分すきをする漉き機などが並んでいます。この後の組み上げは、各職人さんの手で行われます。そこは半ば個人宅に近い世界なので撮影できませんでした。残念!

このように、革製品を作る工程を見ると、分業にはなっていますがかなり「その人の感覚」にゆだねられてしまう部分があります。
裁断の傷外ししかり、コバの具合しかり、この後の縫製しかり。そうなると、自分が作りたいものを理解してくれる工場さんが布帛以上に必要。かつ、何回もしつこいぐらい行って、話して「こんなものが作りたいんだ、これはOK、これはNG」を伝えないと思った通りのものができません。そのため、最近、半分迷惑だろうな・・・と思いつつ、何回も猪瀬さんに通っています。

 

無題ドキュメント

How to make them?

   
   


 


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