久しぶり、かつもしかしたら最後かもしれない6 ポケット。とにかく手間のかかるパンツなので工場さんも本当に作りたがらないのです!
縫い方としてはチノパンと似ています。そこに追加して
・脇のカーゴポケット+ フラップ・フロントのフラップ
・後ろのフラップ
・ベルトの調整金具
・裾の紐+ 穴
・膝のタックと仕様が増える。
さらに縫う順番も普通と違い、パンツの左右それぞれ
・前を作る(ポケットのフラップはつけない)→ 後ろを作る→ 脇を縫う→ カーゴポケット+フラップ+ 前身頃のフラップをつける。
この脇ポケットや前身頃フラップをつける段階では、前・ 後ろのポケットは出来上がっています。ということは、つける部分の裏側、見えない部分に袋布がある。それを跳ね上げて、かわしながら脇ポケットやフラップをつけなくてはいけません。
「なんだ、どかすだけだろう」と思われるかもしれ ませんが、これが結構難しい。
当然、ポケットが増える分、使う生地も増えるのがさらに値段が上がる理由。
パターンはコントラクトNoに67 と入った個体を解体してそのままトレース。
素材はコットン/ ナイロンを 混ぜて糸にした「混紡糸」で織ったバックサテン。色は若干薄いOD で、今季、上着のM-65とはベース生地は同じでも色トーンが違います。
仕様はオリジナルから「ウェスト・股下の紐」「カーゴポケットの紐」「ウェスト裏のボタン」(次ページ)「ウェスト裏のポケット」は無くしました。さすがに、全部そのままやると、ただでさえ高すぎるパンツ がもっと高くなってしまうので。
大事にしたのは形。シルエット=パターン。これをなんの誇張も無く「まったくそのまま」にするため、解体・トレー スしました。今までも解体しないでのトレースは何回もしましたが、やはり解体すると精度が違う。
最近、解体トレースシリーズをやっているのは、今、もう一度WORKERS の「基本」を学びなおしたかったからです。ミリタリーウェアを作るなら、一度は完全トレースして、古着そのままのフォルムや縫い方をつかみたい。そのうえで、「もう少しここがこうだったら」と変えていきたい。
それと、恐ろしいですがもう少しすると日本でこういった手の込んだ製品は出来ない、もしくは出来ても高すぎてWORKERS で企画・製造することは現実的に難しくなるかもしれません。
最近「勉強半分、思い出作り半分」と冗談で言ってますが、半分本気です。 と、難しいことを書いてきましたが、軍パンに後付けパーカにG ジャン。軍パンにあえて白シャツ+ ジャ ケット。そんなコーディネートを楽しみたいと思います。
製品はNW、洗い無。生地に防縮加工が入っているので、水洗い+天日干しであれば縮みはごくわずかです。 |