袖口は開きが無いカフス始末。Relianceが昔、特許を取っていた始末。
開きが無いので袖口に切り込みが入らない=裂ける心配がない。今回のような、太い糸で織られた生地は不用意に切り込みを入れるとそこが裂ける不安がある。だから、切れ目を入れるボタンホール部分には芯を貼ります。が、袖口の開きは裏が見えるので芯が貼れない。
そこで、開きが無い、このカフス仕様。この仕様の弱点は袖をまくりづらい事。でも、完全冬用シャツなので、それほどまくることも無いだろうと、生地裂けの不安解消を優先しました。
仕様は単に「昔の物のコピー」とか「デザイン」だけでなく、素材との相性、どの機能性を優先するか。そうして決められた結果が「古着で見るあのシャツの仕様」であったり、「古着には無いけれど、この仕様にしたらもっと機能が高く成る」とか現代の服を作る側が考えるのです。
私も最初はコピーしかできませんでした。その仕様にどんな意味があるのかわかっていない、ならばとりあえずは真似れば品質は古着と同程度には担保できる。そこから始まり、徐々に作っては着て、「なんでそうなっているのか?」を着ながら考え、意味を理解する。理解したら「だったら、自分なりにこうしたらどうだろう?」の繰り返しで、今のWORKERSが出来上がっています。
「こんな服を作りたい」
「過去の服を調べ、仕様を知る」
「型紙をひいて実際に工場さんでサンプルを作ってもらう」
「改善点が無いか、良く観察して考え、変更点なりを決める。またサンプルを作るなり、量産するなり」
「さらに量産後に着てみて、経年でどう感じるか考え、次作る時に気にするポイントがあれば型紙データにメモする」
の繰り返しです。
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