やっぱりシャツは襟。襟型は、Modified Fitでおなじみ、長すぎず・短すぎずの羽襟。高すぎない、細めのネクタイが似合う台襟。そして少し引いていくと・・・

プルオーバー、そして長袖！作るまでは「我ながらこういう売れなそうな物を好きだからってラインナップするのもアホだな」と思いましたが、おかげ様で好評で作り続ける事が出来ています。

ただ、パターンの工夫はしています。プルオーバーで嫌になるのが、ツッパリ感。フロントがあいていない分、身頃は筒状になった生地の「そのまま」でしかゆとりがない。これがフロントボタンだと、多少、ボタンを中心として生地が動きます。（お腹あたりで、ボタンを中心にその間の隙間が開いた状態もちょっと苦しそうですが）

身頃にゆったりとゆとりを入れているので、着ていて突っ張る事が無いように。さらにもう一つのゆとりが・・・

肘上まで捲れるぐらい、太い肘あたりの寸法。合わせて袖幅も通常のModified Fitより出しています。

着心地に袖巾や肘巾？とおもわれるかもしれませんが、人間が体を動かしたとき、肩甲骨周りと同じぐらい袖、特に、袖の後ろ側の寸法というかゆとりが大事です。

自分で気付いたのは古着のライダースジャケットを若い時に着ていて。袖の後ろ側に謎のアクションプリーツが畳まれている物があり、背中にはアクションプリーツが無い。それが、袖を動かしたときに実に動きやすい。体が動くと、こんな位置に寸法が必要なのだなと実感しました。

シャツの袖はアクションプリーツとはいかないので巾を出す。これが一時代前だと「袖が太すぎる！」と敬遠されましたが、今は、その製品自体が持つ雰囲気を受け入れてもらえるようになったので、機能性を考えたパターンが作れます。