下前立て縫製

縫製は、ぜひ前回のワークシャツ も合わせてご覧ください。

今回、新たなディテールで、下前立てのスレーキ使いがあります。

いつもの、前立て縫いミシンに、新たなラッパ(アタッチメント)をつけて、上に身頃・下に細長く切ったスレーキを入れて縫っていきます。

写真は、ラッパと下側の布をセットしたところです。

まず、上側の身頃を縫わずに、下側のスレーキだけを縫ってみています。

二本の針が布のちょうど良い位置に落ちているかどうか、確認しています。

ラッパのアップです。

上側のRがついているところに、身頃をいれ込んで縫っていきます。

縫うところはごめんなさい、両手を使っているので撮影出来ませんでした。

縫い上がりです。

表から見ると、シングルステッチ。裏側がチェーンステッチに成っています。

ブラック杢シャンブレー、表糸は表地に合わせて黒、下は生地問わずすべてホワイト系で統一しています。

もともとは「下糸は適当に」という生産の都合からワークシャツではよく見られる糸使いで、今となっては、デザインにもなっているディテールです。

当初、ブルーやレッドなどの下糸もトライしたのですが、今回は、ホワイトヘリンボンがあり、下糸が表からチラチラと見えてしまいます。

そこで、ホワイトヘリンボンに合わせて下糸を白・生成り系に固定して、他の巻き縫いやヨークなども縫っています。

 

 

ポケット口・上前立ての縫製

先ほどと同じ、最高12本まで針を入れることができるミシン。

今度はラッパを外し、針を4本に増やして前立てを縫っています。

向こう側にピンセットが写っています。
このミシン、確かに、一度縫いだしてしまうと糸交換もほどんどなく便利です。(とはいっても、綿糸はたまに切れることもありますが)

ただ、ピンセットが必要なほど糸通しが手間です。

昔であれば、それぞれの工程ごとに一台のミシンがあり、そこに針も糸もかけたまま、何千・何万と縫ったのでしょうが、現代ではそうもいきません。

そのつど、糸・針をかけかえ、ラッパを調整し・・・と昔と同じようなつくりをするには、かえって手間と時間がかかってしまいます。ただ、そうは言っても、ビンテージワークウェアが持つ独特の雰囲気は、このような製造方法の都合により考えられたミシン使い、糸使いも大きな役割をしめています。

写真では、最初に上前立てを縫って、それから、ラッパを外しポケット口を縫っています。

針の本数や間隔は同じなので、糸を切らずに、そのまま縫ってしまっています。

実際の量産では、前立ては前立てだけずっと、ポケットはポケットだけずっと縫います。

そして、この写真のように、つながった状態で部品が完成し、一枚一枚、糸を切り揃えられ、次の工程にまわります。

縫いあがったポケット口です。

ポケット口の下は断ち切り。十分な縫い代を取っていますので、ワークシャツの機能としては必要十分です。

表から見ればシングルステッチ、でも裏から見るとチェーンステッチ。

ワークシャツらしい、製造工程の結果生み出された仕様です。

 

 

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