特許の研究
今回のシャツ作りのきっかけの一つが、この特許です。
リライアンス社を譲渡人として、JW CHAMPIONなる人物が1928年に出願しています。
まずは、この詳細なイラストから各部の仕様、たとえば、
・肩は後ろ高の三本針巻き縫い ・前立ては四本針ステッチ ・そで口は角型剣ボロカフス
などを決定していきます。
通常のビッグヤンクで多くみられる仕様、袖口のヤンク独特な開きの無いカフスなどはあえて選ばず、あくまで絵型に忠実にいきます。
ひとつめの発明としているのが、湾曲したヨークとフロントの三日月型の当て布です。
ひじ、E点から、逆側の肩、SとS'にかけて、一番ストレスのかかる部分を後ろ身ごろとヨーク、二重の生地とステッチで補強しています。
フロントも同じく、身ごろと三日月型の当て布で、二重の補強がなされています。
さらに、ヨークを湾曲させることにより、縫い目上、図では13Rや13L部分の生地はバイアス(ななめ)になり、生地の強度が一番高いと、特許には書かれています。
確かに、通常、バイアスは生地の地の目と呼ばれる、方向の中でも、縦地の目、横地の目より伸縮性が高いのが特徴です。
更なる発明は、特許では”eyelets”と書かれたベンチレーションホールです。
日本の縫製屋では、「菊孔」などと呼ぶ穴です。
この孔が、通気孔であるとともに、二重になった生地をしっかりと見頃に固定する役割も果たしています。
How to make them? ワークシャツが出来るまで
Detail-各部詳細
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