昨年のプルオーバーと変えた部分、フロントのカッティング。脇に向かって切り上がっていきます。これで、裾を出して着た時にトラウザーズのポケットに手が入れやすい。

ゆったり目のプルオーバーボタンダウン、袖をまくって、チノパンやショーツの斜め切り替えポケットに手を突っ込んで。足元はレザーのデッキシューズや、あえての黒ストレートチップ。プルオーバーはなぜか「これ！」とスタイリングが思い浮かんできます。

長めの開き、剣ボロ裏もきれいに処理しているので是非お手持ちのWORKERSシャツをご覧ください。

脇は細幅の巻縫い。脇への切り上がりから、裾のゆるいアール。途中に巻縫いで厚い部分もあり、この三巻は腕の見せ所。私はどうしてもこれがうまく縫えなかったです・・・

金具を使って縫って、脇の厚いところでその金具を少しどけて、またはめてと縫うのですが難しい。通常の下送りでなく、針送りミシン使ってみたり、色々試行錯誤しましたが最後まで、縫い場のおばちゃん、そして今では海外から来てくれている研修生にはかないませんでした。

おばちゃんは、多少速度は遅いけど金具も使わないで一折だけアイロンしていて器用に縫ってました。あれはあれですごかった。今縫ってくれている、総社さんは縫ってる人もうまいけれどやっぱり道具がすごい。あのラッパと、ミシンが良いんです。でも、使う人が違うと縫えたり、縫えなかったりするのが縫製の面白いところ。「手勝手」なんて言って、それをできる限り排除して「誰が縫っても同じ」「誰が縫っても速く」を目指すのですが、どうしてもそうはいかない。特に「速く」は人の手によりけりな部分があります。