J.O.Ballard & Co

かわいらしい先が丸くなった襟。実際、この厚みの生地をひっくり返そうとすればこうせざるを得ない部分でもあります。

生地による制約が、うまく型紙・デザインにも影響をあたえています。

服というのは単にデザインではなく、その用途、素材に合わせてデザインをするのが本来の作り方であると思います。 古い服には、そういった自然な成りたちで作られた物が多いので、どこか自然というか、ラフではあるけれど良く考えられている。この生地にとても良く合った仕様だなと感じる事が多々あります。

 

Woolrichも元はJohn Rich Brosだった社名を地名のWoolrichに変えています。(社名が先か、地名が先か判然としませんが)

J.O.Ballardも地名のMaloneをラベルに取り入れA Malone Coatと銘打っています。今以上に、産業が地域に根ざしていた事。とくに田舎であればあるほどそうであったのだろうと思います。

すでに廃業してから数十年たつWheelingに行った時ですら、町の人はStifel社を知っていました。

服という、親しみやすい製品を通して、地域の人の生活を支えていた事が今も感じられます。もちろん、労働環境が苛酷なところもあったでしょうし、労使関係が良好なケースばかりでは無かったでしょう。子供には同じ仕事をさせたいとは思わなかったかもしれません。

それでも、ある一時代を、繊維という産業が支え、多くの労働力を吸収していたのは事実です。

 

 

 

 

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