USN Denim Jacket

縫製糸は全て綿糸です。

おそらく、元は黒色だったのでしょうが、長い時間を経た事、更にはこのジャケットが作られた当時の糸を染色する技術が今に比べれば堅牢度が低かった事から、グレー味がかった薄い紺色に褪色しています。

この画像は、ポケット口のアップですが、カンドメの色合いで糸の雰囲気が良くわかります。

更に、左、見づらいですが、見返しを身ごろにたたきつけているステッチ、ここもダブルステッチがかけられています。

 

袖ぐりと、肩の巻き縫いです。

ステッチの間には、パッカリングが現れています。

よく見ると、同じ巻き縫いながら、縫いのピッチが違います。

恐らく、肩の曲線を巻き縫いする為に、ミシンの一部を改造(ローラーを取り去る)していたため、他の部分よりピッチが細かくなっているのでは無いかと想像されます。

 

カーブを巻き縫いする、昔のアメリカ物ではいとも簡単にやっていますが、かなり練習が必要な仕様です。

分業制による大量生産であったからこそ、特定の工程における熟練工が育ち、このような仕様が当たり前のようにこなせたのであろうと思います。

 

 

 

 

 

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