J.L. Stifel Co

↑1919 Locomotive Jarnalより

ウォバッシュストライプと呼ばれる生地を作っていたことで有名なシュティフェル社です。


↑1926 Montgomery Wardカタログより

シュティフェル社の前に、ウォバッシュという生地について紹介します。

ウォバッシュは、縦横共にインディゴ染めされた糸で織られた生地に白いドットがストライプ状にプリントされた生地です。

当時のワークウェアメーカーや、シアーズ、モンゴメリーワードなどのカタログやブックレットに、デニムなどと並んで必ず登場しています。

 

プリントの柄は、ドットのほかに、星、犬の足跡、錨柄、花柄、円など多様で、生地の種類も薄手のキャラコ、中厚のドリルなどがありました。

また、インディゴ染め以外の生地にもプリントされていました。

ワークウェアのほかにも、特にキャラコはパッチワークやキルトで好んで使われたようです。

 

近年、リアルマッコイズを皮切りに、日本のレプリカメーカーがこぞって生地の再現を試みています。

デニムやヒッコリー、ダックともまた趣がことなる素材です。

創業者、J.L. Stifel(ヨハン・ルードウィッヒ・シュティフェル)は1807年3月13日にドイツのマーテンベルグに生まれました。

彼は、染色とプリントの技術を学び、一流の職人として地域を渡り歩いていました。

 

26歳のとき、アメリカへ移民としてわたり、1833年9月にバルチモアに上陸。

フィラデルフィア、ペンシルバニアと移動を続け、1834年にはウェストバージニア州(当時はバージニア州の一部)のウィーリングに落ち着きました。

当時の彼はとても貧しく、靴底を節約するために素足で歩いていたほどでした。

 

1835年の春まで農場で働き、十分な資金をためると、ウィーリングのメインスリートの北よりに小さなクリーニングと染物の工場を始めました。

更に、彼はヨーロッパで覚えたプリントと染色の技術をいかした商売を始めることを決断し9番通りにも工場をはじめ、社名をJ.L. Stifel Coとしました。

 

当時の仕事は、未ざらしの綿織物やインディゴ染めされた生地を仕入れ、のり抜き、脱脂をして、染色や柄のプリントを施していました。

プリントは、カエデなどの木で作られた型により行われ、職人の技術と目によってその仕上がりが左右されました。

 

1835年6月にはバーバラバッハと結婚。

子供をもうけ、そのうちのルイスとウィリアムは1859年から彼のビジネスに参加しました。

それと共に、社名もJ.L.Stifel & sonsと改めました。

 

1871年、創業者J.L. Stifelが引退、10年後の1881年に永眠しました。

彼の死後も、ビジネスは孫、ひ孫の代まで続きます。

 

1903年、有名なブーツのトレードマークが織物の裏面にプリントされ登場しました。

このマークは、Stifelという言葉がドイツ語でブーツを意味するため作られました。

 

二度の対戦中には、軍需工場として軍納入品を生産。

1943年、テキスタイル業界初のArmy-Navy E Production Awardという、軍需にあたり高い貢献をしめした企業に贈られる賞を獲得しています。

 

1957年、綿製品への需要低下、化学繊維の台頭、安い輸入品に押され、工場は操業を停止。122年の歴史に幕が下ろされます。

その後、工場は売却され、数社の手を渡り歩きますが、最終的には工場は再び息をかえすことは無く、放置されることになります。

 

1961年、火事により煙突を残して工場、社屋が全焼。

1969年、最後に残った大煙突も市によって撤去され、シュティフェル社の面影を残す建物は全てなくなってしまいました。

 

 

シュティフェル社に直接関係する建物などは無くなってしまいましたが、シュティフェル一族(現在は5代目以降)は現在もウィーリングに住み、地域社会に貢献されているそうです。

また、創業者のJ.L. Stifelはウィーリングの多くのビジネスや市民活動に参加しました。

例をあげると

・ウィーリングで初のドイツ新聞の創設者
・経営者の立場から、労働組合創設を強く支持
・ウェストバージニアをバージニアから独立させる運動

などがあります。


その為、ウィーリングには今も彼の業績をたたえる記念館があります。

→Stifel一族のより詳しい歴史はColumnをご覧ください。


Date
J.L. Stifel Co
1835
Johann Ludwig Stifel
Wheeling West Virginia

紹介内容は下記サイトの情報を元に翻訳・再構成しました。

Fabrics.net

 

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