脇部分、表地にはスラブ(糸の畝)があります。このようなスラブを徹底的に廃していったのが現代、普通に売られているとても平坦で問題が起きづらい生地です。
問題は起きづらい反面、 ビンテージの持つ独特な風合いやラフさは皆無です。古いものを再現しようとするとこういう見る人が見ればB品ではないか?と思われるような部分も一緒に再現されてしまいます。
また、裏側はチェーンステッチが切れたのでしょう。そこを重ね縫いで補修してあります。致し方ないことではありますが、せめて糸ぐらい結んで切れば良いのに・・・と現代の感覚では思います。
縫製も、こういった事が起きないように最近では巻き縫いではなくインターロック+片倒しであったり、糸自体を切れづらい化学繊維の糸に変えたりといった工夫がされています。
そででも私は、こんな糸接ぎがあったとしても、やはりビンテージの綿で縫われて、着込んでいくとかすれていく風合いに何にも代えがたいものを感じます。
よく言われる、時間と共に自分になじむというか、そういう気分を感じさせてくれて、捨てられない一着になるのは今回紹介したような服なのだと思います。
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