HERCULES (Sears Roebuck & Co)

左バックポケットにはハンマーループが。

ポケット下面は厚手のスレキで補強されているため、ステッチ部分にパッカリングが出ています。

後ろ中心、トリプルステッチは何回もまき直したようで、生地糸が切れてしまっています。もう少し、細い針を使えばデニムではめったに糸切れはしないのですが。

右脇にはツールポケット。

ここも開口部はカンヌキで補強されています。

全体に、めり込むほど細く、きつい目数で縫われているため、独特な雰囲気を醸し出しています。

今となっては「ビンテージの持つ特徴」や「風合い」ともいえるのですが、単純に当時であれば、切れやすい綿糸。それも比較的番手も細く、またあまりウマいとは言えない人が縫うとなれば、目数を増やして、ミシンの動きを結果として小さくした方がコントロールも効きやすい。

おそらく、そんな至極具体的な理由からではないでしょうか。

面白いのが、通常、ツールポケットをつけてから本体のポケットを付けるのですが、ここではツールポケットを置いた状態でまず後ろポケットを付けてしまい、あとからツールポケットを縫っています。