LARNED,CARTER&Co (HEADLIGHT)

1904年7月、ブラザーフッド オブ ロコモーティブ エンジニアズ マンスリー ジャーナル(ロコモーティブジャーナル)より。

当時のヘッドライト・ラーンドカーター社は各鉄道関係紙に盛んに広告を掲載していました。今回紹介するロコモーティブジャーナル、以前紹介したマシニストマンスリー、ロコモーティブマガジンというのもあります。

同年・同月の掲載を比べると、この1904年7月はロコモーティブジャーナル・マシニストマンスリー共に同じ3つポケットのジャケットが掲載されています。

以前紹介した、同年10月のジャケット と比べると右胸の表についた小型ポケット、そして内ポケットがありません。

一方、それ以外の部分はほぼ10月のジャケットと同じ。私が持っているヘッドライトのアドで写真掲載はこれが一番古く、はたしてこの前があるのか、無いのか・・・1897年創業、わずか7年でこのデザイン・生地使いをしていた訳です。

一方で、このデザインも1911年ごろには右胸ポケットが大型化し、1913年ごろにはV字ステッチも無くなってしまいます。創業当初から作っていたとしても、わずか15年ほど、さすがに中々出てこない理由はこのあたりにあります。

シルエットは、肩こそ落ち気味でゆったりしていますが、フロントの湾曲、フロント下のカッタウェイ気味の開きがあり、1920-30年代の成熟が進んだカバーオールとは一目で違いがわかります。

 

襟はオープン気味。台襟は無く、1枚もしくは2枚ものの襟がそのまま身頃に挟みつけられています。

 

左胸のコンビネーションポケット。見えづらいですが、脇側に鉛筆?がささっています。

ウォッチポケットには鎖がついた懐中時計。鎖の先はボタンホールに入れられ、先にはおそらく笛がついています。

 

特徴的な、見返しと裾の始末。

見返しは、より年代が新しくなるとほぼまっすぐに上がり途中でカーブする形になります。これが、古い年代のジャケットでは弓なり状でカーブして始まり、カーブして終わる、独特な形をしています。

おそらく、まだワークウェアとドレスウェアのジャケットやスーツの作り方が完全に分化しきっていない、だからこんな型紙が作られていたのではないかと思います。

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