色版プリントが途中まで進むと、生地の端をクリップで固定し、それをロープと滑車で上に持ち上げていきます。捺染プリントの矛盾
「裏までプリント色は抜けないといけない」
「でも、台から外す時に汚 してはいけない」
「さらに、裏まで抜ければ台は汚れるが、それをすぐにきれいにして次のプリントを しないといけない」
工場の社長さんが言われていた「捺染プリントの勘所(かんどころ)は、矛盾だらけの工程を、 段取りと工夫でいかにクリアしていくか」が一連の流れで見るとよくわかります。
工夫、ノウハウの塊が「手捺染」という工程の神髄だと感じました。プリントが終わった生地は、この後色を定着・発色させる蒸工程、カット、縫製、検査・仕上げを経て出荷を待ちます。私も若かりし頃、T シャツ君レベルですが 版を焼き、捺染して、プリントネームを作っていました。なので、今回の「手捺染工場」がいかに、精密に、人がチームを組んで効率よく作業を行っているかが良くわかりました。 |