The History of Reliance Manufacturing Company

The Founder
Milton F Goodman

創業者・ミルトンFグッドマン

今回は、BIGYANKで有名なReliance Manufacturing Companyの創業者、ミルトンFグッドマンに焦点を当てて紹介します。

以前から、BIGYANKおよびReliance社を調べており、幸運にもその過程でミルトンのひ孫にあたるCaroline Sternさんにお会いすることが出来ました。

今回はCarolineさんに提供していただいた資料や情報を元にしています。

 

Milton F Goodman

1910年ごろ。

Milton F Goodman。
1872年10月27日、シカゴ生まれ。
1930年10月20日、シカゴにて没。現在はRosehillに眠っています。


家族との集合写真です。

彼から三人左の初老の紳士が彼の父、Morris Goodman、1834年生まれでババリア、今のドイツ南部から1855年に移民としてやってきました。

Morrisは妻Sarahと結婚し6人の子供をもうけ、その四番目、唯一の男の子がMilton F Goodmanでした。

彼は家計を助けるため13歳にして学校を辞め、仕事を始めたそうです。

 


Milton F Goodman Building 1920

1898年にはReliance Manufacturing Companyを創業。
最も古い資料としては、1898年5月、火事で700ドルの被害をこうむったオーバーオールのディーラーとして掲載されているものが発見されています。

写真はウェストモンローストリートのホームオフィス、その名もMilton F Goodmanビルディングのイラストです。

壁にはReliance Manufacturing Companyと書いてあります。

 

 

1920年、社内報の表紙のMilton。
合言葉のRely on Reliance、そしてワークシャツがあくまでメインの商品である事を示す
Published in the interest of better work shirts
と銘打っています。

中身も、いかにReliance社がRely on Relianceを合言葉に、より良いワークシャツを作ることに力を傾けてきたか、そして今後もその姿勢を貫くかと言った内容が多く語られています。

 

 


Factories 1920

工場は複数存在し、それぞれで違ったブランドを縫製していたようです。

 

何故、Miltonがワークシャツを作るという事業を始めたのか、Carolineさんに聞きました。

「当時、Miltonのようなドイツから来たユダヤ人に出来る仕事は被服に関係する仕事や銀行業など、限られていました。また、ドイツ系ユダヤ人同士の結束もとても強く、ある人は生地を、ある人はそれを縫い、ある人がリテールストアで売る、といったようにビジネスにおいてもその結束は同じでした。おそらくは、Milton自身、限られた選択肢の中から可能性をかけたのがワークシャツ製造業だったのではないでしょうか。」

これこそ、私が知りたい事でした。なぜ、アメリカという国で特異な服飾文化が作られたのか。

ヨーロッパから移民してきた人が、自らの人生、そして生死を文字どおり賭け、懸命に努力を行ったからこそ、あれほどまでに生産効率・機能性・品質のバランスが調和した製品が作られていたのだと、改めて実感できます。

 

1902年、Sadie "Mumsie" Louise Benjaminと結婚。

Miltonは非常に聡明で商売が上手でしたが、その一方で、実に人生を楽しんでいた人のようです。

その事はCarolineさんの祖母、つまりMiltonの子から繰り返し聞いたそうです。

この写真のように、家族で楽しそうにしている写真が今も多く残っています。

そんな人生を楽しんでいるのがよくわかる1921年の休暇中、湖での一枚です。

取られた経緯はわかりませんが、実に良い笑顔で、湖に足をつけてなぜか椅子を持っています。

 


Miltonには三人の子供が居ました。

Marion Louise、Elisabeth、Jane、三人はいずれも女の子で、後に、LouiseとElisabeth、それぞれの夫がReliance社を引き継ぐことになります。

 

 

1927年の写真です。

最初の写真と比べてみてください。もともと彼の家系はふっくらとした人が多いそうです。

その彼が、ここまで痩せてしまっており、おそらく健康を害していたことがうかがいしれます。

1928年、Reliance社はシカゴの証券取引上に上場し、より大きな会社を目指して成長を続けていきます。

 

1930年10月20日、創業者Milton F Goodmanは永眠します。

その死は、Wall Street JournalやNewyork Timesにも掲載されました。

リライアンス社は娘婿のHerbert J Mayerに引き継がれ事業を継続していきます。

 

このMilton F Goodmanこそ、Reliance社、BIGYANK、ひいては現代にも通用するワークシャツを作った人の一人として記憶・記録に残すべき人であると私は思います。


数多くの特許を取得し、また、新たなアイデアには賞金をもうけてまで、製品の品質を上げ、より多くの人に知ってもらおうと懸命に努めた痕跡を、今日もアドや実際の製品から感じ取ることができます。

 

 

 

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